「今日は翔さんに勉強みてもらう約束してるんだ」
「期末までまだあるのに、一生懸命だな」
「中間があるでしょ?忘れてるの?進学校だよ?」
「いけね。忘れてた。俺も勉強しなきゃ。追加頼めるかな?」
――JKと勉強のはずが、弟までついてきた
「お邪魔しましたー。翔さん、ありがとうございます!」
その時玄関がいつもの感じに変わった。
「ちょっと待て!おい!リサ‼」
リサの手を強く掴んだが、掃除機に吸い込まれるように二人はチキョウへ…
――あーあ、リョウになんて言おう…アキラも一緒じゃあなぁ?
「ん?ここはうちの玄関とは違う。噂のチキョウか」と、冷静なアキラ。
冷静じゃなかったのはリサ。なにやら、赤面。
「どうしたんだ?」
「コレ…」
そこにはリサが女王であること。ミッションは、子を宿すこととあった。子?
「マジか?」
「マジなんでしょ?私が妊娠しないと私もアキラも戻れないんだよ…」
――へぇ、ますますリョウになんて言ったものか…
「お待ちしておりました。我らが女王、リサ様。ん?そちらは従者ですか?」
「失礼だな。俺の名前はアキラ!前にここで王をしてた翔の弟だよ」
「では、リサ様。お城へ」
「俺の話はスルーかよ‼」
――頑張れ、アキラ…
@リョウの家
「あら、翔が珍しい。リョウに用なの?」
「ああ、凄いことになった…。リョウは?」
「もう少しで帰ってくるはず…。あ、来た。おかえりなさい‼」
「あの、リョウ。落ち着いて聞いてくれ。俺のせいじゃないからな!リサがチキョウに行ってしまった」
さすがのリョウも絶句した。
「さらに、うちのアキラも一緒だ」
「…⁉」
「ミッションクリアしないと戻れない感じだ。そのミッションなんだが…『子を宿すこと』だ」
リョウが激高して翔に殴りかかろうとした。
「俺のせいじゃないって‼参ったよな…」
「城へはこの者も連れていきます」
「リサ、サンキュー」
そうして城まで行った。王の間からは出られない。
「リサ、どうする?」
「えー?子を宿すことなんでしょ?宿す以外に方法ないなら…ねぇ?」
「ねぇ?と言われても。俺は子を宿せないし」
「まだ16なんだけどなぁっ」
「そうだよなぁ」
と、二人してため息をついた。
「閨の支度が整いました」
「整われても、私はいったい誰の子を宿すの?」
「この国の爵位を持つものです」
「うわー、顔を見たい‼閨の前に